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愛の関係性について淡く幻想的な色彩で描く Thunchanok Plakulsantikorn

Thunchanok Plakulsantikorn
Thai

1993 -

愛についての深く複雑な感情を夢心地のような淡い色彩で、儚くもしっかりとした繋がりで描くのは、タイの名門公立大学、ブラパー大学美術学部に通う若き新進アーティストであるトゥンチャノク・プラクルサンティコーンです。すでにクイーンズギャラリーでの受賞歴もある彼女は、2018年・2019年に開催されたタイの様々なアーティストが一同に会するホテルアートフェアにおいても高い評価を受けています。そんな彼女の作品コンセプトや技法についてご紹介いたします。

視点〜愛について

トゥンチャノク・プラクルサンティコーンの作品は愛について、お互いの関係性についてあるべき姿を語っています。
「多くの場合、愛はその態度やさまざまな信念に縛られ、変化することや失うこと、拒絶されてしまうこと、そして満たされないことを恐れます。これらはすべて精神的な脆弱性を引き起こします。」

本当に望ましい関係性とはどのようなものでしょう。
「それは私たちが外殻を破り解き放たれ、自由になったときにのみ起こるものではないでしょうか。親密さとは心の内側にある感情が繋がり、一つになるまでお互いを慰めあうものです。誠実であること、そして相手の誠実さを受け入れて本当の気持ちを打ち明ける勇気から生まれるものが愛なのです。」

古典技法を取り入れたアートワーク

トゥンチャノク・プラクルサンティコーンの精神的な世界観は、独特の淡い色彩によって表現されます。彼女の制作技法は、1500年までの中世および初期リバイバル時代に様々なアーティストが使っていた、チョークの粉を用いたテンペラ技法です。

この技法によって描かれた彼女の絵画は、柔らかい光を放ち、敏感で壊れやすい感覚があるのと同時に、見るものに温かい印象を与えます。トゥンチャノクはこの技法を彼女独自のアイデンティティとなるまでに修練しました。

トゥンチャノク・プラクルサンティコーンの作品

  • 作品の人物は互いが溶け合うように描かれ、キャンバスに滲んだ絵の具がいっそうその関係性を親密なものに感じさせます。

  • 青白く美しい人物の肌の色は現実的を超えた精神的な世界の繋がりを想起させます。

  • 静かな画面が、愛は決して執着ではない関係性によるものであることを感じさせます。

作家プロフィール

トゥンチャノク・プラクルサンティコーン
Thunchanok Plakulsantikorn

1993年生

Education :
- Chonkanya School, Chonburi
- Faculty of Fine and Applied Arts at Burapha University
Biography

グループ展
2013 - "Time line art exhibition" at Koh Kloi Market, Rayong
2014 - “2&3 art exhibition”at Krungthai Art Gallery, Bangkok
2017 - “Art for His Majesty the king” at Eastern center of art and culture, Chonburi

個展
2018 - “Forever”, Number 1 gallery, Silom rd., Bangkok

受賞歴
2014 - General Prem Tinsulanonda Statesman Foundation.
2016 - The best art thesis exhibition , at The Queen’s Gallery

文責: neu