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短編小説の数々を読むようなアート Narakorn Sittites

Thai

1980 -

ひとつの場面が切り取られたような絵の中の人物は、何かを演じているかのように印象的な動作をとっています。また静物はその結末を表すかのように象徴的です。
Narakorn Sittitesnの作品世界はその絵の中に内なる意識や精神を想起させ、まるで自分の平行世界を見るような不思議な感覚で描かれています。

作品コンセプト

Narakorn Sittitesは自らの絵画展を多くの物語を含む短編小説集に似ていると語ります。それぞれ内容の違う物語が描かれており、観客のそれぞれ持つ記憶や経験から、何らかの「意味」を見つけ出してもらうことを目的としています。彼の作品は、絵を見ている観客を「それ」が存在する物語の世界へと、それらの美しさと意味を「読む」ように導こうとしています。

彼の作品が描き出す「物語」の世界とは、観客の中に浮かんできた問いを、そしてその答えを見つける場所として、新しい価値と意味を創造する場所であり、観客が望むべき場所です。彼は、観客とこうした物語の世界を結びつけるためにその作品を描いています。

個展 「NARRATIVE IMAGES」

2019年5月31日〜6月30日、BANGKOK ART AND CULTURE CENTRE内People’s Galleryにおいて個展「NARRATIVE IMAGES」が開催されました。物語を読むように、一つ一つの作品にストーリー性を感じさせるミステリアスな雰囲気に包まれた展覧会となりました。

  • The Wanderer
    120x100cm
    oilon linen
    2009

赤いカーテンが下りようとしています。 ドラマはこれで終わり。 男がカーテンを通り抜けようとしています。時間のトンネルの中で彼のシャツはすり減ってしまい、放浪者のように帰り道を探しています。

  • The Weight
    120x100cm
    oil on linen

時間が消えた場所で、男は落ち着いて立っていました。顔は彼自身の影で覆われて表情は見えません。彼は両手で氷の塊をかかえ、その氷はゆがんでおり静けさと冷たさの不安定なバランスを維持しようとしているかのようで、完璧さという意味からはかけ離れています。 冷たさはゆっくりとあなたのところに送られてきます。そして彼は疲れているようです。

  • If I fall will you catch me
    40x50cm
    oil on linen
    2019

この男はどこから来たのですか?あなたは自分に問いかけます。彼は女と男の彫刻に倒されました。まるで彼自身の影のように。小さな彫刻なのにひどく重く見えます。血のような赤い布が流れていますが傷はありません。躊躇とジレンマを抱えながら手を差し伸べたいのですが…

作家プロフィール

Narakorn Sittites
タイ出身 1980年生

Education 
Silpakorn University

個展
2019 
NARRATIVE IMAGES BACC

主なグループ展
2005
“CREDENCE” Art Exhibition by Yutthasak Roikanchan and Narakorn Sittites
2007
Five Feelings - Angels Gate International Exhibition 2007 Thailand
2009
Craig Scott Gallery to exhibit at Bridge New York
2011
"Revive Dialogue" DOB Hualamphong Gallery
2017
“7 Thai Artists” Prince Street Gallery CHELSEA,NEW YORK,USA
2018
“Reform II” Prince Street Gallery CHELSEA,NEW YORK,USA


受賞歴
Thailand's 2008 Panasonic Art Competition 2位


文責: neu