Exhibitions
Sa Sa Art Projects
Sep 20 - Nov 27, 2019
NGOのアートスクールPhare Ponleu Selpakにおいてグラフィックデザインの教師を務めながら、個展を開催するなどカンボジア国内でアーティストとして活動を続け、アジア唯一の国際的な芸術祭であるSPOT ARTに参加した経験を持つChea Sereyrothによる個展“Ricefield Mirages”が、プノンペンのアートギャラリーSa Sa Art Projectsにおいて2019年9月20日〜11月27日に開催されています。会場の様子とともに、作品についてご紹介いたします。
カンボジアにおける米の役割、それは文化の基本といえるものです。太古から米作は人々の生活を支配するとともに、その魂を育ててきました。今日でもカンボジアでは、農地の大部分は水田で占められています。アーティストChea Sereyrothは、時代を越えて直面している現実を見つめて、カンボジアの農村環境と現代的な視点を調和させようとしています。
彼はそのアートワークによって、カンボジアにおいて必要不可欠であると同時に疎外された貧しい農村部の矛盾を浮き彫りにしていきます。
彼はこの個展で8つの作品を発表しました。それは田園地帯で育った子供が都市に留学する前に田を耕すという視点で作成されたもので、カンボジアの田舎の生活に関連する問いに向き合っています。農村部の貧困の中での喜び、放棄された食物や無駄、未加工の原材料。地球と水田の世界を結ぶ強力なイメージを通して疑問を見つめます。
Chea Sereyrothの作品は、カンボジアの田舎で今日起こっている変化を、強靭なパンダナスの葉で織られたマットの上で表現しています。これはカンバスの代わりに考案されたもので、田舎独特の素材であり、自給自足の農場生活と密接に関連しています。実際こうしたマットは、睡眠、食事、旅行にとさまざまに使用されており、キャンプの毛布や野外で使用する敷き布としても使用されています。この素材を通じ、私たちが忘れていた水田の無形性を呼び覚まそうとしているのです。
“Self-portrait”
Acrylic, sawdust, mud and soil on braided pandanus leaf mat
168 x 140 cm
2019
“Salt Field”
Acrylic, sawdust, mud and soil on braided pandanus leaf mat
135 x 172 cm
2019
“Workers Harvest Rubbers”
Acrylic, sawdust, mud and soil on braided pandanus leaf mat
122 x 169 cm
2019
Chea Sereyroth
1990生 カンボジア・バッタンバン州出身
2005年
Phare Ponleu Selpakにて絵画を学ぶ。
2008年
「カンボジアのクメールルージュ政権の象徴」をテーマに、国際アーティストSera IngとアーティストVann Nathとのワークショップに参加。
2012年
バッタンバン工科大学(BIT)を卒業後、Phare Ponleu SelpakのSonleuk Thmey Studioでグラフィックデザイナーおよびアーティスト活動を始める。
2013年
Phare Ponleu Selpakでグラフィックデザインの教師となり、多くの美術展に参加。
2014年
シンガポールで30歳未満のアーティストのための東南アジアで唯一の国際的な芸術祭であるSPOT ARTに参加。 プノンペンのロミエギャラリーで個展「災害」を開催。
2019年
バッタンバンのサンカーギャラリーで個展を開催。