Exhibitions
Galerie Quynh
May 29 - Jul 25, 2020
Do Thanh Lang, untitled (part), 2020, oil, acrylic and epoxy resin on canvas, 80 x 90 cm
All images by courtesy of GALERIE QUYNH
ベトナム、ホーチミンの Galerie Quynh は、7名のアーティスト(Hoang Duong Cam、Sandrine Llouquet、Keen Souhlal、Vo Tran Chau、Do Thanh Lang、Hoang Nam Vet、Nghia Dang)による未発表新作作品を展示するグループ展「Lunar Breccia」を開催します。
2018年開催の「Alluvium」展のように、それぞれ異なる制作手法、テーマ・関心、素材を用いる、新興かつ定評あるアーティストらによる日頃ない組み合わせによって、各自の現在のプロジェクトに光をあて、近年のうちにギャラリーで発表される個展のプレビューの役割を果たします。
「Lunar Breccia(角礫岩)」という用語は、月面に衝突するいん石によって作られる月の石の分類を参照しています。この衝撃から生まれた瓦礫は、古代の月の石の破片や天体の破片から構成され、細かい粒状のマトリックス ー 浮遊する雑多な角岩を停止状態にするように見える粒に結合されます。
これらの断片が一つの角礫岩にまとまるように、その構造と各部分は、展示されている作品の集合体、つまり進行中のプロジェクトの一部を形成する作品の寓意であり、作品の未来の姿に対する探求となります。ちょうど月の破片がその石質の由来について疑問を生じさせるように、展示作品たちは、展覧会の範囲を超えたアーティストの実践について考えさせるように、観客を招きます。その角礫岩のような手触りは、文脈を踏まえて行われる芸術の仕事 ー 研究、影響、あらかじめ予定された出会いと偶然の発見 ー が、どのようにすぐ構造化され、またバラバラになるかを映し出しています(あるいはおそらくは掘り出し物のようなものかもしれません)。
ここでの「lunar」とは月と直接関係があり、宇宙空間、銀河、現実あるいは想像上の風景といった場所の概念を呼び起こしますが、この言葉はまた、時間の概念も浮かび上がらせます。旧暦を出発点に、この展覧会は時間を知覚する別の方法やシステムに目を向けています。アーティストの多様なメディアの使い方にさえ、ペンキが乾くのを見るという慣用的な工程に、静かな叙情詩が浮かび上がってきます。粘土が燃えるのを待ったり、若い柿の顔料が織物のきめに染み込むのを待つとき、時間の重要性は、生産性や生産物よりも素材の変化によって表されます。直線的なタイムラインから非年代性の探求への移行のなかで、展覧会と芸術作品は、ヘテロトピア ー その境界を越えて起こることを映し出しつつも動揺している、時間と時間の外に同時に存在する空間 ー への入り口を提示します。
この不思議に謙虚な月の石から、時空についての異なるアイデアが生まれます。ギャラリー空間を歩き回ると、角礫岩たちはその人を新しい解釈の道へと導くでしょう。実際「breccia」という言葉は、開口、通路、突破さえも示しています。それなら角礫岩と同じように、一見バラバラなこれらの作品をひとつに集めることは、古いものの結合であり、新しいものの創造なのです。
- Do Thang Lang
- Hoang Duong Cam
- Hoang Nam Viet
- Keen Souhlal
- Nghia Dang
- Sandrine Llouquet
- Vo Tran Chau
[詳細・プロフィールを見る]
Untitled,
2020,
Oil, acrylic, and epoxy resin on canvas,
80.1 x 90.1 cm
Untitled,
2020,
Oil, acrylic, and epoxy resin on canvas,
80.6 x 90.7 cm
Inhale exhale the spaces between galaxies (or The secret story between Haydn and his wig),
2019,
Oil on canvas,
183 x 149.3 cm
The hundred-year stake and the kingfisher,
2019,
Oil on canvas,
80 x 60 cm
Bo and Bye-bye-Tracy,
2020,
Oil on canvas,
130.3 x 180 cm
The second triangle,
2020,
Oil on canvas,
160 x 120.1 cm
Copper Tetra,
2020,
Fish traps, webbing, metal wire, copper leaf,
Dimensions variable
Reticulum,
2017,
Blanc de Chine,
10.5 x 17.5 x 7 cm
The Birth of Tragedy,
2020,
Graphite on paper, mounted on canvas and board,
120 x 60 cm
The Fire,
2020,
Graphite on paper, mounted on canvas and board,
120 x 60 cm
Grotesquerie,
2019,
Ceramic paint on ceramic tiles, silicone, plaster, metal frame,
61.5 x 61.5 cm
An-Najm,
2019,
Ceramic paint on ceramic tiles, silicone, plaster, metal frame, 61.5 x 61.5 cm
Where is the begining?,
2019,
Used clothes dyed with persimmon, thread,
94 x 133 cm
Where is the end?,
2019,
Used clothes dyed with persimmon, thread,
94 x 140 cm
ベトナムを代表する現代美術ギャラリーとして知られる Galerie Quynh は、20年以上にわたり同国で現代美術の実践を促進してきました。このギャラリーは、その継続集中したプログラムと教育イニシアチブによって国際的に知られています。駆け出し、中期キャリア、大御所のベトナム人アーティストの中から選んだたグループと協力し、世界中の著名アーティストの作品を展示しています。ベトナムのアートの持続可能な生態系を発展させるという使命に沿って、アーティスト、キュレーター、美術館、アートスペースと国内外で協働し、講演会や講演会を開催したり、英語とベトナム語で出版物を制作したりしています。2014年5月に同ギャラリーは、非営利教育イニシアティブ「Sao La」を設立しました。現在、ダラットを拠点とするアーティスト Nguyen Kim To Lan と Nguyen Duc Dut を中心に、「Sao La」は共同体として緩やかに活動する、若く多様な情熱的作り手のグループで構成されています。
2017年12月、ギャラリーはダカオ第1地区の600平方メートルのスペースに移転し、新たな章が始まりました。4階まで広がるこのギャラリーは、より野心的なプログラムを作り出し、ベトナムの文化コミュニティでさらに重要な役割を果たすことができます。